登山口。
さっきまでの狂騒を忘れるかのように、登山の準備をします。
はい、完了。
ここから久住山を目指します。
国土地理院が提供する等高線が入った地図から見ると、この登山口の標高は、約1,040m。
下記HP参照ください。
長者原
久し振りに等高線を、読んだ。
なんか懐かしいな。
さあ出発。
しばらくこういう道が続く。
歩きやすいが、舗装道路。
どこまで続くのかなー、などと思いながら。
こういう砂防ダムを眺めながら、舗装道路を、ゆく。
よく溜まってるな、土砂。
これが無かったらこの土砂が、下に流れ落ちていたのであった。
プチ沢をちょっと渡りながら、先に進むとようやく、きた。
映画だって、いきなり出さない。
起、があって、承があるわけです。
このときはこれが、転、だと思ったが、ほんとの転は、この先に沢山存在した。
転、の始まりに過ぎない。
分け入り、進む。
目的地は、山頂。
じわじわ標高を稼ぐ。
で、当初歩いていた舗装道路に、また合流。
これはあとから認識したんだけれども。
これもあとから知ったが、この先で硫黄が、取れるんだ。
日本で資源の自給率100%は石灰岩と、硫黄。
山から掘ってこればいいだけだもんな。
そういう、道か。
がんばって、砂防している。
これ以上土砂が下に落ちていかないよう、砂防ダムを複数作成している。
こうやってコンクリートを、つぎこんでいるんだ。
そして、この沢を横切る。
で、いったん降りて、そのあと、登る。
ぞろそろ、キた。
ぐいっぐいっと、登る。
だんだん無心になる。
で不思議と、無心になればなるほど、雑念が、湧く。
硫黄感を漂わせながら、どうやらもうすぐ、峠。
これは、シェルターか。
火山群であるのだろうな、この辺は。
しばし休憩の後、こっから、下るんだ。
ヒャッホウー。
くだってのぼって。
いま下っただけ、あとで、登る。
こっち方面ですね。
ここからしばらく、平面。
右手に硫黄感を感じながら、沢歩きを楽しむ。
わかってます。
目的地は、それです。
そのためには、行かなければ、なりません。
で、約束の地は、どこですか。
この辺、キツかった。
先に見える稜線まで、あそこまで行ったら、ちょっと楽になるに違いない。
ところどころ振り返りながら、前に、上に進む。
つくづく思う。
進むのは、帰るのと、セットなんだと。
登れば降りるし、下れば、登る。
そういうもの。
そう、そのうち目的地は、やってくる。
前に、進む。
最後の稜線、風が強い。
登頂。
不思議と喜びが、無い。
達成感は確かにあるが、無事に戻って初めて登山は、完結する。
要は今日の宿でビールを乾杯して完結、と、思う。
戦いは、未だ最中ですゾ。
でも切なく空腹。
そこでカップラーメンなんだ。
山頂付近は強風故、風を避けられる場所まで、いく。
この風をよけるセンスも、重要なんですね。
風の、裏に入る感じ。
その場所を見つける能力。
この辺で、ビバーク。
さっき買った鍋でさっそくお湯を沸かす。
沸かん。
しかたないが、遅い。
ロケットストーブとかあれば早く沸くだろうが、ここは山の上なんだ。
ひたすら、待つ。
見ているやかんは、沸きません。
ほったらかすに限るが、なにより、寒い。
ようやくありついた、それ。
アッツアツじゃないが、おいしい。
汁の塩っ気も、有難い。
カップラーメンが、身体に沁み込んだ。
さあ、先に進もう。
来た道を戻る。
来た時の上り坂は、帰りは下りになる。
当たり前の話。
登り坂はしんどいけど、下り坂も厄介だ。
膝に大きな負担がかかる。
さっきから右膝が、嫌な痛みを発信している。
スティックを着地先に突いて、ゆっくり右足をおろす。
これの繰り返しで右膝の痛みを和らげる。
平地は有難い。
ずんずん進む。
あの時の下り坂が、いまは登り坂として立ちはざかる。
峠にて休憩。
スティックの先が曲がっている。
できるだけ、上半身の筋肉を参加させる。
結果、過度にスティックの先に負荷をかけてしまったのかも。
下り坂で膝が悲鳴を上げる。
とは言っても前に進めないほどでは、ない。
要は、やり方だ。
その場その場で工夫し、目的達成のためにアイデアを考える。
遠くにゴール、ちょっと前のスタート地点が見えてきた。
そこに到達する、そしてこの登山は完結する。
どうやらやり遂げたようです。